2012-03-06

石原慎太郎と野口健 遺骨収集活動










 いやあ凄い。あの石原慎太郎が神妙な顔つきで耳を傾けている。生の本質に迫る言葉の数々が襟を正さずにはおかない。

 8000mを超えた世界には匂いや色、音がないとの指摘が興味深い。仏教では物質的存在を「色法」(しきほう)と名づける。野口の言葉に「いろは歌」を思い出した人も多いのではないか。

 色はにほへど 散りぬるを
 我が世たれぞ 常ならむ
 有為の奥山  今日越えて
 浅き夢見じ  酔ひもせず

 諸行無常がこの世の実相であれば、8000mから上は変化をも許さない「死の世界」なのだろう。地獄とは地の底にあると思い込んでいたが、どうやら違ったようだ。

 五感という知覚そのものが、縁起という相関関係を構成していることがわかる。

野口健が聞いた英霊の声なき声―戦没者遺骨収集のいま 自然と国家と人間と (日経プレミアシリーズ)

野口健が戦ってきたもの

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