2012-05-22

太陽でもスーパーフレアが起きる可能性がある

太陽でも「スーパーフレア」起きる?日米で論争

 地球から遠く離れた太陽に似た天体で観測される「スーパーフレア」と呼ばれる超巨大な爆発現象を巡り、17日の英科学誌ネイチャー(電子版)誌上で日米の研究者の学術論争が起きている。

 京都大グループが天体観測の結果から「私たちの太陽でも起きる可能性がある」と主張、これに米国の天文学者が「理論的にありえない」と反論している。

 スーパーフレアは、太陽表面で起きる爆発現象「太陽フレア」の最大1万倍にも達する。太陽で起きれば強烈な電磁波が地球を襲い、電子機器があふれる社会は壊滅状態に陥るという。

 京大付属天文台の柴田一成教授らは、米航空宇宙局(NASA)の人工衛星が観測した太陽系外の天体16万個のデータを分析、太陽に似た10の天体で、14回のスーパーフレアが起きていたのを確認した。

 スーパーフレアは、太陽に似た天体が、近くを回る地球の10倍ほどの巨大惑星の磁場の影響を受けて起きるとされる。太陽の近くには巨大惑星はないが、スーパーフレアを起こした10の天体の近くにも巨大惑星はなかった。このことから、「太陽でもスーパーフレアが起きる可能性がある」とネイチャー誌で結論づけた。

 これに対し「巨大惑星説」を唱える、米・ルイジアナ州立大の研究者は、同誌上で「理論上、天体の近くに強力な磁界がないと起きえない。過去2000年の間に地球上での観測記録はなく、太陽では起きていない」と反論。柴田教授は「観測機器が発達していない時代に肉眼で見えないスーパーフレアは観測できない」として「今後、発生を示す科学的な補強材料を見つけたい」という。

YOMIURI ONLINE 2012年5月17日


◎巨大な太陽フレア
◎CNN
◎“金環日食”どころじゃない!“太陽の大異変”が地球を襲う
◎NICT 宇宙天気情報センター
◎NASAが撮影した巨大な太陽フレア

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