2014-11-13

菅沼光弘、武田邦彦


 2冊読了。

 88冊目『日本人が知らないではすまない 金王朝の機密情報』菅沼光弘(徳間書店、2012年)/読み始めて「ハズレかな?」と思った。1/3ほどは忍耐力を要する。そこからギアが噛み合い、後半は例の如く一気読みだ。かつて日本と北朝鮮の国交正常化が実現に向かったことは二度あった。しかし二度ともアメリカに阻止されている。東アジアのパワーバランス、そして核兵器が持つ現代的な意味がよく理解できる。日本が拉致問題でもたもたしている間に、中国もアメリカもどんどん北朝鮮に進出している。本来であれば日中国交回復を果たした後に日本が主導権を握って東アジア経済圏をつくるべきであった。それを木っ端微塵にしたのがロッキード事件である。アメリカに葬られた田中角栄を見て、日本の政治家は尻尾を丸めてアメリカにひれ伏した。政治の不在は今も変わらない。

 89冊目『国債は買ってはいけない!』武田邦彦(東洋経済新報社、2007年)/amazonレビューの批判はことごとく的外れだ。武田は原理を単純に示すことで国債のメカニズムを明らかにしている。アッと驚く為五郎である。「100万円の国債を買ったら、結果的に-205万円になる」と指摘する。それはなぜか? 国債を償還するのに税を徴収するためだ。恐るべき国債マジックである。金融本でこんなことを指摘した人は一人もいない。もともと信用経済自体がインチキ的であるわけだが、税と国債も負けてはいない。国民が国にカネを貸すことで税金が上がるという仕組みだ。「自分は国債を買っていないから関係ない」と思うのは浅墓である。あなたの預金で銀行が国債を買いまくっているのだから。銀行が国債を購入するのは国債がBIS規制の自己資本として認められているからだ。「お金は腐る」とも武田は指摘している。現金がインフレ率に対抗できないためだ。折しも日銀による金融緩和が立て続けに行われている。マネーストックが増えるのだからマネーの価値は目減りし続ける。武田は最終章で株式投資を薦めているが、投資をするなら日経225CFDがいいだろう。ただし株高も永遠に続くわけではない。余裕をもってドルコスト平均法で購入するのが正しい。そして時期を見て売りを仕掛ける程度の勉強はしておくべきだろう。

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