2014-11-10

高階秀爾、中丸薫、菅沼光弘、他


 1冊挫折、2冊読了。

追跡!平成日本タブー大全 II』(宝島社、2005年/宝島社文庫、2006年)/宝島ムックも堕ちたもんだ。『週刊実話』レベルの与太記事が勢揃い。本を読んでこれほどの失望感を抱くのは久々のこと。

 86冊目『この国のために今二人が絶対伝えたい本当のこと 闇の世界権力との最終バトル【北朝鮮編】』中丸薫、菅沼光弘(ヒカルランド、2010年)/中丸薫は現代のブラヴァツキー夫人と呼んでいいかもしれぬ。菅沼は公安調査庁の仕事で北朝鮮を追いかけてきただけあって迫力のある情報が多い。インテリジェンスという点において日本は北朝鮮の足元にも及ばない。

 87冊目『増補 日本美術を見る眼 東と西の出会い』高階秀爾〈たかしな・しゅうじ〉(岩波現代文庫、2009年/旧版、岩波書店、1991年/新板、同時代ライブラリー、1996年)/必読書入り。思想とは表現であり、表現の中にしか思想がないことがよくわかった。特に冒頭の章で日本画の視点に関する指摘は鋭い文明論となっている。私がテーマにしている「見る」ことへの考察が深まった。東西の比較も宗教の一歩手前で立ち止まる上品さがある。思想や価値観は視点をも定めることがよくわかった。

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