2012-10-07

木の年輪が描き出す人の顔


 驚いた。不思議なほど違和感を覚えない。年輪が指紋と似ているせいであろうか。まるで宇宙の螺旋構造。そんな諸行無常の時空間が顔面で展開されている。ロンドンにあるオブジェのようだ。

The Architect - Jilly Sutton. London Bridge

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モンサント社の不自然な食べ物


モンサント社

五木寛之、吉村昭、長谷川集平


 2冊挫折、1冊読了。

サイレント・ラブ』五木寛之(角川書店、2002年)/30年振りに五木寛之を読んだ。「この人は何か性的なコンプレックスがあるのだろうか?」と思った瞬間、薄気味悪くなって挫けた。150円程度の内容だ。

漂流』吉村昭(新潮社、1976年/新潮文庫改版、1980年)/いい内容なんだが、今の私には必要がないと判断した。序盤の科白が江戸っ子に見えて仕方がなかった。土佐の読者は違和感を覚えないのだろうか?

 57冊目『はせがわくんきらいや』長谷川集平〈はせがわ・しゅうへい〉(すばる書房、1976年/地方・小出版流通センター、1993年/復刊ドットコム、2003年)/著者の自伝的絵本である。長谷川は森永ヒ素ミルク事件(1955年)の被害者であった。1ページ目から涙。最後のページで滂沱。絵と手書きの文字が迫力に満ちている。多分生きることそのものが凄絶であったのだろう。時に画面が垂直方向へ歪むのは長谷川の視点の高さを示している。見返しに描かれた哺乳瓶が墓標に見えて仕方がなかった。森永乳業に善意があるなら、本書を絶版にしてはなるまい。本社の玄関に飾っておくべきだ。