2013-10-26

トム・ロブ・スミス、綿本彰、矢上裕、金哲彦、ル・クレジオ、ファリード・ザカリア、他


 11冊挫折、5冊読了。

民主主義の未来 リベラリズムか独裁か拝金主義か』ファリード・ザカリア:中谷和男〈なかたに・かずお〉訳(阪急コミュニケーションズ、2004年)/竜頭蛇尾。ただし4分の3だけ読んでも十分お釣りがくる。民主主義の発生についてはフランス・ドゥ・ヴァール著『あなたのなかのサル 霊長類学者が明かす「人間らしさ」の起源』が参考になる。

秘密結社』綾部恒雄〈あやべ・つねお〉(講談社学術文庫、2010年)/アウトライン的内容。たぶん労作だ。巻末の「世界秘密結社事典」が有益。

儀礼としての消費 財と消費の経済人類学』メアリー・ダグラス、バロン・イシャウッド:浅田彰〈あさだ・あきら〉、佐和隆光〈さわ・たかみつ〉訳(講談社学術文庫、2012年)/たぶん良書。ひょっとしたら名著かも。しかしながら私の知識ではついてゆけず。

意味の変容・マンダラ紀行』森敦(講談社文芸文庫、2012年)/文章がしつこい。

海を見たことがなかった少年 モンドほか子供たちの物語』ル・クレジオ:豊崎光一、佐藤領時訳(集英社文庫、1995年)/訳文が肌に合わず。ある作家の初めて読む作品に挫折してしまうと他の作品を読む気が失せる。その意味でも翻訳が重要だ。

悪魔祓い』ル・クレジオ:高山鉄男訳(岩波文庫、2010年)/こちらは翻訳が素晴らしい。ル・クレジオによるインディアン讃歌だ。類を見ない文体の華麗さである。後半は飛ばし読み。ちょっと濃過ぎる。

ボルツマンの原子 理論物理学の夜明け』デヴィッド・リンドリー:松浦俊輔訳(青土社、2003年)/翻訳名は統一してもらいたいもんだ。『そして世界に不確定性がもたらされた ハイゼンベルクの物理学革命』(デイヴィッド・リンドリー)と比較すると控えめな内容で華に欠ける。3分の1ほどで挫ける。

帰ってきたソクラテス』池田晶子(新潮文庫、2002年)/ソクラテスが現代社会の問題に答える、という設定が巧い。若い人にはオススメ。

唐詩選(上)』前野直彬〈まえの・なおあき〉注解(岩波文庫、2000年)/10年後に再読しようと思う。唐詩選偽作説についても率直に書かれている。ただ偽作であったとしてもこれに優る入門書はあるまい。

ディアスポラ』グレッグ・イーガン:山岸真訳(ハヤカワ文庫、2005年)/巨匠グレッグ・イーガンのSFはとにかく難しい。哲学書並みだ。

たいした問題じゃないが イギリス・コラム傑作選』行方昭夫〈なめかた・あきお〉編訳(岩波文庫、2009年)/全然面白くなかった。

 48、49冊目『エージェント6(上)』『エージェント6(下)』トム・ロブ・スミス:田口俊樹訳(新潮文庫、2011年)/トム・ロブ・スミスに外れはない。今のところは。レオ・デミドフ三部作の完結編。矛盾を抱えた家族が国家に翻弄される様を見事に描いている。ラストまでしっかり謎を残し、ミステリの王道をゆく。

 50冊目『DVDで覚えるシンプルヨーガLesson』綿本彰〈わたもと・あきら〉(新星出版社、2004年)/ヨガを習いにゆくと思えば安いものだ。入門書としてはよい出来だと思う。見ていると簡単そうなんだが、実際にやると中々きつい。私は「サルのポーズ」で一旦あきらめ、煙草を吸いながらDVDを見終えた。ヨガの難点は時間のかかるところ。

 51冊目『DVDで覚える自力整体』矢上裕(新星出版社、2005年)/あまりよくない。ヨガの方が断然いい。

 52冊目『「体幹」ウォーキング』金哲彦〈きん・てつひこ〉(講談社、2010年)/それほど大したことは書いていないのだが、肩甲骨と骨盤の姿勢について卓見が示されている。これだけでも読む価値あり。「胸を張る」のではなく「肩甲骨を寄せる」といううのがミソ。

2013-10-23

『毛沢東の大飢饉 史上最も悲惨で破壊的な人災 1958▶1962』フランク・ディケーター:中川治子訳(草思社、2011年)

毛沢東の大飢饉  史上最も悲惨で破壊的な人災 1958-1962

「15年以内にイギリスを追い越す」と宣言した毛沢東が始めた「大躍進」政策は、人肉食すら発生した人類史上まれに見る大飢饉と産業・インフラ・環境の大破壊をもたらした。香港大学人文学教授が中国各地の公文書館を精査。同館所蔵の未公開資料と体験者の証言から「大躍進」期の死者数を4500万(大半が餓死者。うち250万人が拷問死、裁判なしの処刑死)にのぼると算出。中国共産党最大のタブーの全貌を明らかにし、北京が震撼した衝撃の書!

2013-10-22

Firefoxでブックマークの並べ替えができない~リセット~フォント設定



2013-10-20

『現代オカルトの根源 霊性進化論の光と闇』大田俊寛(ちくま新書、2013年)

現代オカルトの根源:霊性進化論の光と闇 (ちくま新書)

 ヨハネ黙示録やマヤ暦に基づく終末予言、テレパシーや空中浮揚といった超能力、UFOに乗った宇宙人の来訪、レムリアやアトランティスをめぐる超古代史、爬虫類人陰謀論――。多様な奇想によって社会を驚かせる、現代のオカルティズム。その背景には、新たな人種の創出を目指す「霊性進化論」という思想体系が潜んでいた。ロシアの霊媒ブラヴァツキー夫人に始まる神智学の潮流から、米英のニューエイジを経て、オウム真理教と「幸福の科学」まで、現代オカルトの諸相を通覧する。

神智学協会というコネクター/『仏教と西洋の出会い』フレデリック・ルノワール