2016-10-24

精神科医・香山リカの精神を危ぶむ


香山リカ氏、乗っ取りは虚言か? 番組を降板

 精神科医の香山リカ氏(54)が、金曜パネリストを担当する生放送番組「虎ノ門ニュース8時入り!」(スカパー!プレミアム)を降板することがわかった。

 香山氏は先月23日放送の同番組で、MCを務めるお笑いタレントのサンキュータツオ(38)や経済ジャーナリストの須田慎一郎氏(53)といった共演者たちとともに、木曜パネリストの独立総合研究所社長、青山繁晴のファンを「信者」などとやゆ。

 30日放送回で、チーフプロデューサーの山田晃氏が、青山氏のファンに対して不適切な発言だったとかわって謝罪した。

 しかし、その後香山氏のツイッターアカウントには、逆に青山氏を「ホント下劣」と非難する文章が投稿された。さらに「つまんない仕事だけど6月までは続けようかと相談してます」とも発言。今月1日放送回で香山氏は、一連のツイートについて「私が書いたものではない」と明言し、アカウント乗っ取り被害の可能性も考えて調査中だと伝えた。

 そして8日放送回、番組冒頭では山田氏が、香山氏のツイートに関する調査の経過を報告。投稿された内容には関係者しか知り得ない情報も含まれていたため、出演者やスタッフを集めて話し合いを行ったのだという。

 その場で香山は、「問題の内容は、ファンに向けて書いたダイレクトメールの下書きだった。その下書きがいつの間にかツイートされてしまった」と説明。山田氏が「アカウントの乗っ取りなら警察に届けるべきではないか」と指摘したところ、香山氏の証言は一転。「乗っ取りではなく、ツイッターアプリの誤作動かもしれない。過去にも同じ誤作動が起きた」と言い出した。そこで山田氏が「それならアプリケーションの開発会社に原因を問い合わせましょう」「アカウントではなく、パソコンそのものを乗っ取られた可能性があるから、香山氏の事務所で調査をしましょう」と提案。あらためて調査を行うと約束された。

 しかし後日、香山氏から山田氏のもとに手紙が届いた。そこでは調査の経過には触れられておらず、スタッフの対応への不満や、番組降板の意思がつづられていたそう。山田氏は、香山氏降板を発表するとともに、「お手紙の内容は私たちが確認している事実とは異なる部分もありましたので、この件に関しては、今後香山さんに反論文をお送りするなどのやりとりをしていきたい」と語った。

日刊スポーツ 2015年5月8日

 4月24日放送分にて、青山のファンを「信者」などと皮肉り、その後プロデューサーが「青山さんに対して不適切な発言だった」と一度は謝罪したが、その後、香山のツィッターに「青山さんはホントに下劣だ」などと皮肉ったツイートが投稿されたことが問題となり、のちに「私(香山)が書いたものではない」と、何者かによって乗っ取られた可能性があると釈明した。しかし、実際には、「香山がファン向けに書いたダイレクトメールの下書きをツイートした」ことが分かったといい、プロデューサーは「アプリケーションの開発会社に問い合わせてみましょう」と調査することを約束したが、後日、香山がプロデューサーへの不満の手紙を出し、そこに、番組降板の申し入れをしたという。

Wikipedia > 真相深入り!虎ノ門ニュース > 金曜:香山リカ(精神科医)(降板の経緯)

林雄介、北野幸伯、ヘレン・ミアーズ、他


 3冊挫折、3冊読了。

仁義なきキリスト教史』架神恭介〈かがみ・きょうすけ〉(筑摩書房、2014年)/イエスが広島弁を話している(笑)。キリスト教史を『仁義なき戦い』に見立てた作品である。極めて正確な知識でコンスタンティヌス、ルターまでをカバー。各章の「解説」がわかりやすい。キリスト教史を一種の抗争と捉えたところに妙味がある。ただし読み物としては微妙である。初心者にはいいかもしれない。「キリスト教を知るための書籍」に追加。

プルーストとイカ 読書は脳をどのように変えるのか?』メアリアン・ウルフ:小松淳子〈こまつ・じゅんこ〉訳(インターシフト、2008年)/二度目の挫折である。どうも翻訳がおかしいと感じる。amazonレビュー「誤訳と間違いだらけの訳注」を見て得心がいった。

子ども食堂をつくろう! 人がつながる地域の居場所づくり』NPO法人 豊島子どもWAKUWAKUネットワーク編著(明石書店、2016年)/子供食堂とは無料あるいは数百円で近隣の子供に食事を提供するボランティアである。食材も寄付で賄うケースが多いようだ。月に1~2回ならいいと思うが、こうしたことはやはり業として回るようにするべきだと私は思う。子供食堂をやろうと思っている人にはよき参考書であるが、読み物としてのレベルには至っていない。

 154冊目『アメリカの鏡・日本 完全版』ヘレン・ミアーズ:伊藤延司〈いとう・のぶし〉訳(角川ソフィア文庫、2015年/角川文芸出版、2005年『アメリカの鏡・日本 新版』/アイネックス、1995年『アメリカの鏡・日本』)/書き忘れていたが再読終了。更に時間を空けて読み直す予定である。

 155冊目『プーチン最後の聖戦 ロシア最強リーダーが企むアメリカ崩壊シナリオとは?』北野幸伯〈きたの・よしのり〉(集英社インターナショナル、2012年)/これで北野の近刊は全て読み終えた。どれもおすすめだが、唯一の難点は改行の多さである。句点ごとに改行するという酷さ。編集者はなぜ直さないのか? 女子中学生の日記みたいで薄気味悪い。アメリカ一極支配に鉄槌を下ろしたのがプーチンであることがよく理解できる。プーチンはドル基軸通貨体制に異を唱え、ルーブル基軸通貨体制を試みる。更に外交努力で世界を多極化へと誘(いざな)う。そのリーダーシップ・政治力が読者を魅了してやまない。ロシアのオリガルヒ(新興財閥)を駆逐した模様も詳しく描かれている。北野が紹介する書籍はどれも面白そうで食指が動く。

 156冊目『政治と宗教のしくみがよくわかる本 入門編』林雄介(マガジンランド、2013年)/私は林をツイッターで知った。ま、頭のいい人だとは思っていたが、そんな生易しいレベルではなかった。アメリカだったら飛び級しているレベルだろう。小学生で既に大学受験用の参考書を読んでいたというのだから。面白味のないタイトルであるが侮るなかれ。騙す仕組みと騙される心理を見事に解き明かしている。宗教に関する造詣も深く、至るところに卓見がある。『必読書』入り。『完全教祖マニュアル』架神恭介、辰巳一世の後に読むのがよい。

ストレッチで腰痛解消/『自分で治せる!腰痛改善マニュアル』ロビン・マッケンジー


 ・ストレッチで腰痛解消

『ひざの激痛を一気に治す 自力療法No.1』
サルコペニア肥満を恐れよ
『新正体法入門 一瞬でゆがみが取れる矯正の方程式』橋本馨
『5分間背骨ゆらしで体じゅうの痛みが消える 自然治癒力に火をつけて、首・肩・腰痛・ひざ痛を解消!』上原宏

 かつては腰痛や首の痛みに対しては、カイロプラクターやオステオパス(欧米の徒手療法士)による脊椎の徒手矯正がもっとも一般的な治療法であり、20世紀中ごろから理学療法士も徒手的脊椎矯正を活用するようになってきました。手による治療・徒手的脊椎矯正を主な治療手段として用いているのは、現在ではこの3つの職種です。
 しかし、ここ10年くらいの研究で、徒手的脊椎矯正の効果はあまりないことが明らかになっています(Koes の研究、1991年、1996年)。
 徒手療法は受け身の治療法で、患者の依存心を作り出してしまうことからも医療における価値は低下しています。現在注目されているのは、運動や姿勢の矯正で、これらは問題を自己管理し、治療の専門家からの自立を促してくれます。
 普通の腰痛であれば、約80パーセントの人たちは自分で矯正を行うことができ、専門家による脊椎矯正が必要な人は10パーセント程度にすぎません。

【『自分で治せる!腰痛改善マニュアル』ロビン・マッケンジー:銅冶英雄〈どうや・ひでお〉、岩貞吉寛〈いわさだ・よしひろ〉訳(実業之日本社、2009年)以下同】

 私の場合、48歳になってから明らかに体のバランスが崩れ始めた。最初に現れたのは肩凝りであった。これはネット情報を調べて1週間で治した。そして昨年、ぎっくり腰になった。前屈みにならないと歩くこともできなかった。腰痛は人類の業病である。先進国では国民の7割が腰痛になるといわれている。やはり座る時間が長いことと、その姿勢に問題があるのだろう。「ヒトがまだ二足歩行に慣れていないため」とする説まであると柔道整復師が語っていた。一番重い頭が上にあるってのが、そもそも間違いの元だ。

オステオパシーは効果がある。足の痛みがなくなった」と近所のご婦人から聞いたことがある。初耳だったのでテレパシーを使ったインチキ宗教かと勘違いした。オステオパシーは体を全体的に捉える手技療法である。

 著者のロビン・マッケンジーは理学療法士で、ある失敗からマッケンジー・エクササイズが生まれた。「徒手療法は受け身の治療法で、患者の依存心を作り出してしまう」という指摘には本音が滲み出ているように思う。

 ぎっくり腰二日目に私は38冊の書籍をピックアップした。その1冊目が本書で実に運がよかった。

 悪い姿勢が習慣となってしまっており、それが腰痛の原因となっていることに気づかなければ、根本的に解決するための方法がわからないということですから、一生腰痛から逃れられません。

 人は概念の中で生きている。ブレイクスルーとは自分の既成概念を打ち破ることを意味する。私は腰痛のメカニズムを解明し、腰痛博士となって腰痛に悩む人々を救うことを決意した。

 何分か一定の姿勢のままで座っていると、腰の筋肉は疲れてゆるんできます。
 すると体が椅子(いす)に沈んで、猫背になります。この猫背の姿勢で長時間座り続けると、靭帯(じんたい)が引き伸ばされて痛みが出てくるのです。猫背が習慣になり多くの時間を過ごすようになると、椎間板のゆがみを引き起こし、座っていなくても痛みを感じるようになります。
 事務仕事をしている人は、何時間も背中を丸めて座っているため腰痛になりやすく、姿勢を改めなければ、徐々に腰痛が悪化していくでしょう。

 つまり腰痛は「姿勢を改めよ」というサインなのだ。

 私の腰痛はマッケンジー法で解消した。同時に腰痛対策として一本歯下駄を購入した。こちらは大腰筋を鍛えるためである。どちらも効果はあったと思われるが、ストレッチを行ってから痛みは減少した。

 やり方は簡単である。俯(うつぶ)せになり、最初は肘をついて上体を起こす。そう、スフィンクスと同じ姿勢である。次に腕を伸ばして上体を反らす。主要なストレッチはこれだけである。あまりにも簡単すぎてやる気が起こらないと思うので、やはり本を買うべきだ。具体的なメソッド(方法)よりも概念を変えることが重要なのだ。

 以来、腰痛に悩まされることはなくなった。私の姿勢は正しい(←自慢)。

2016-10-19

橘玲、海外投資を楽しむ会、菅沼光弘、但馬オサム、溝口敦、他


 3冊挫折、3冊読了。

世界を騙し続けた[洗脳]政治学原論 〈政「金」一致型民主社会〉へのパラダイム・シフト』天野統康〈あまの・もとやす〉(ヒカルランド、2016年)/分量が増えて2分冊となっている。前篇が『世界を騙し続けた[詐欺]経済学原論 「通貨発行権」を牛耳る国際銀行家をこうして覆せ』である。巻末の方に仏教とキリスト教の興味深い比較論あり。

省庁のしくみがわかると政治がグンと面白くなる 日本の内閣、政治、そして世の中の動きが一気に読める!』林雄介(ナツメ社、2004年)/非常に丁寧に書かれているのだが如何せん各トピックが平凡で読む意欲が湧いてこない。若い人にはおすすめできる。

対話 人間の原点』小谷喜美、石原慎太郎(サンケイ新聞社出版局、1969年)/『巷の神々』(『石原愼太郎の思想と行為 5 新宗教の黎明』)の後に出された対談集で、小谷喜美〈こたに・きみ〉は霊友会の第2代会長を務めた女性。創設者の久保角太郎が戦時中に死去していることもあって霊友会といえば小谷の印象が強い。後半は飛ばし読み。石原が政治家となったのは前年の1968年のこと。霊友会のバックアップを受けたことは広く知られているが、この時点で入信していたかどうかは不明だ。石原は30代後半だが単純に若いと思っては判断を誤る。大学在学中に芥川賞を受賞し、大物評論家として恐れられた小林秀雄に対して平然と意見をするような若者であったのだから。その石原が小谷を「会長先生」と呼ぶ。苛烈な修行をしてきた小谷は実に鷹揚で人柄に幅がある。当時67~68歳だろう。小谷の宗教性から私が学ぶべきものは一つもない。石原が魅了されたのはやはり人間性であったのだろう。

 151冊目『池田大作 創価王国の野望』溝口敦(紀尾井書房、1983年)/溝口の創価学会批判は悪意が強く、読み手のマイナス感情を煽る傾向が見られる。彼の風貌や話しぶりにも卑屈な性質を感じる。所詮、雑誌記事ライターと言ってしまえばそれまでだが、牽強付会な手法に疑問が残る。教団を好き嫌いのレベルで論じても仕方がない。

 152冊目『ヤクザと妓生(キーセン)が作った大韓民国 日韓戦後裏面史』菅沼光弘、但馬オサム(ビジネス社、2015年)/聞き手である但馬オサムの名前がないのは片手落ちである。しかも各章の解説まで書いているのだから。タイトルの「ヤクザ」とは在日ヤクザで、妓生(キーセン)とは韓国のインテリ芸者のこと。現在に至るまで日本の政治家もかなり籠絡(ろうらく)されている模様。日本語もペラペラとのこと。全斗煥大統領時代は芸能界もまるごと起用されたらしい。そういう歴史もあるせいか、韓国芸能界では現在も枕営業(性上納)が慣行となっていて時折自殺する女性が出てくる。「日本の近代史を学ぶ」に追加。『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』増田俊也を読んだ人は必読のこと。

 153冊目『世界にひとつしかない「黄金の人生設計」』橘玲〈たちばな・あきら〉、海外投資を楽しむ会編著(講談社+α文庫、2003年/海外投資を楽しむ会、メディアワークス、1999年『ゴミ投資家のための人生設計入門』を文庫化)/再読。かつて公明党が主導した「100年安心プラン」なるものの欺瞞がよく理解できる。本書は経済的自立を論旨としているが、税制のデタラメを炙(あぶ)り出すことで説得力を増している。今となってはやや古い印象を拭えないが、その発想に学ぶべきことは多い。政治的に眠らされている情況が自覚できる。『黄金の羽根』と差し替えたが、再び「必読書」に入れた。