2016-12-21

シャンカール・ヴェダンタム、オリバー・ベレス、グレッグ・カプラ、藤原肇、藤井尚治、他


 1冊挫折、3冊読了。

修羅の翼 零戦特攻隊員の真情』角田和男〈つのだ・かずお〉(今日の話題社、1989年光人社、2002年/光人社NF文庫、2008年)/良書。文章もよい。年末で時間がないため時期を改めて読むつもりである。大西瀧治郎〈おおにし・たきじろう〉は講和へ導くために特攻隊を考案した。大西個人の考えではないことが書かれている。

 170冊目『間脳幻想 人類の新時代をひらくキー・ワード』藤原肇、藤井尚治〈ふじい・なおはる〉(東興書院、1988年)/小室直樹と互角に渡り合った(『脱ニッポン型思考のすすめ』1982年)藤原が藤井には全くかなわなかったという。対談というよりは雑談なのだが恐ろしいまでの鋭さがぶつかり合う。アインシュタインの宇宙定数が再び見直されたように二人は錬金術の目的と思想をすくい上げる。その手並みが実に鮮やかだ。

 171冊目『デイトレード マーケットで勝ち続けるための発想術』オリバー・ベレス、グレッグ・カプラ:林康史〈はやし・やすふみ〉監訳、藤野隆太訳(日経BP社、2002年)/投資家の間では有名な本だが初めて読んだ。文章が巧みで随所に名文が光る。矢口新著『実践 生き残りのディーリング 変わりゆく市場に適応するための100のアプローチ』が霞んで見えるほどだ。株式投資以外でも十分通用する内容である。

 172冊目『隠れた脳』シャンカール・ヴェダンタム:渡会圭子〈わたらい・けいこ〉訳(インターシフト、2011年)/再読。既に書評済み。名著は何度読んでも新しい発見がある。