2011-08-15

水上を往く人


 インドネシアの点景。主役は飽くまでも空間だ。思い切って下へ持っていったアングルが素晴らしい。常識人であれば3分の1にするところだ。二次元の中でどう奥行きを表現するか。芸術は永遠を象(かたど)る。見る者は声を掛けずにいられない。「オーイ」と声を発したら、水上を往く人は手を振ってくれるだろうか? それとも私の声は見えない水平線の彼方に吸い込まれて消えるだろうか? 眼を凝らすと右側の小屋には椅子が二つあるようだ。彼と私はそこで談笑するのだ。そんな想像を巡らすと、空間はゆったりと流れる時間をも表していることに気づく。

MiniM

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