2015-02-26

養老孟司、エードゥアルト・フックス


 1冊挫折、1冊読了。

ユダヤ人カリカチュア 風刺画に描かれた「ユダヤ人」』エードゥアルト・フックス:羽田功〈はだ・いさお〉訳(柏書房、1993年)/「表現の自由とテロ」で田中英道が紹介していた書籍。著者は『風俗の歴史』を書いた人物。2巻欠けで私も持っていた。商品としてではあるが。最初は重要だと思った。金融に関して詳しく書かれていたためだ。ところが全編これユダヤ人の悪口である。信憑性にやや疑問あり。原著は1921年刊。語尾の断定調が目立ち、知性を欠いているように見受けられる。たぶん再読することもないだろう。

 15冊目『人間科学』養老孟司〈ようろう・たけし〉(筑摩書房、2002年/『養老孟司の人間科学講義 』ちくま学芸文庫、2008年)/天才本。まったくもって迂闊であった。こんな近くに答えが転がっていたとは。私が長らく抱いてきた疑問・関心・興味に答えてくれる一冊だ。「必読書リスト」と「情報とアルゴリズム」に追加。『カミとヒトの解剖学』の続篇として読むことも可能だ。並みの宗教学者よりも養老の方が格段に上だ。閃きの度合いが違う。情報・言葉・シンボルなどのテーマがずらりと並ぶ。最後の2章はやや蛇足気味ではあるが。

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