2015-12-20

ウッドハウス暎子


 1冊読了。

 172冊目『北京燃ゆ 義和団事変とモリソン』ウッドハウス暎子(東洋経済新報社、1989年)/柴五郎ものに必ず引用される文献で、論文にエピソードを盛り込んだ労作。満州人名や清国の地名が読みにくいのだが、柴五郎が登場すると俄然読む速度がはやまる。主役はタイムズ紙特派員ジョージ・アーネスト・モリソンだが、中身はモリソンの目を通した日本人讃歌といってよい。何にも増して当時の国際関係における虚々実々の駆け引きがよくわかった。現在に至る日本外交の主体性喪失は三国干渉にあったのだろう。義和団事変(北清事変)で既に日露の衝突は避けられない命運にあったことも理解できた。前著『日露戦争を演出した男 モリソン』も読まねばなるまい。

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