2016-03-15

島田裕巳


 1冊読了。

 30冊目『宗教消滅 資本主義は宗教と心中する』島田裕巳〈しまだ・ひろみ〉(SB新書、2016年)/島田の文章は読みやすい。ただしその分だけ底が浅くなりがちで、宗教学者というよりは宗教ジャーナリストが実態に近い。日本と世界の宗教人口が激減する様子をわかりやすく解説し、更には資本主義とイスラム金融の入門書的な内容となっている。島田が創価学会本を出しているせいもあって、やや創価学会に偏りがちな記述が目立つ。大学での講義がもとになっているのでデータは正確だと思われる。ただし結論が弱い。弱すぎる。宗教社会学的な世俗化という視点ももはや古い。現代の宗教は科学と経済であると見極める必要があろう。いずれにせよ生と死の問題が解明されていない以上、教団が滅んでも宗教が滅ぶことはない。

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