2018-03-18

有酸素運動よりも週2回の筋トレを/『速トレ 「速い筋トレ」なら最速でやせる!』比嘉一雄


・『スロトレ完全版 DVDレッスンつき』石井直方、谷本道哉

 ・有酸素運動よりも週2回の筋トレを

 確かに、運動で脂肪を減らすためには、脂肪を直接エネルギーとして消費させることができる有酸素運動が有効です。公園や川沿いでのウォーキングやジョギングは気持よく、達成感とともにリフレッシュ効果も得られることでしょう。
 ただし、【有酸素運動でカロリーを消費できるのは運動を行っている間だけ。筋肉を増やすことで、何もしなくてもカロリーが消費される基礎代謝が上がるのとは違い、有酸素運動によるカロリー消費は運動中のみ】という限定的なものなのです。

【『速トレ 「速い筋トレ」なら最速でやせる!』比嘉一雄〈ひが・かずお〉(池田書店、2015年)以下同】

 いわゆる健康本は眉に唾(つば)して読む必要がある。ストレッチ本や筋トレ本も例外ではない。どの本も恐怖感を煽り立て、単純な結論に導くのは多分編集方針なのだろう。有り体に言えば「読者を馬鹿にしている」わけだよ。ま、自分の健康管理すらできない連中に高尚な話は無理だろうと考えているに違いない。ってなわけで内容をただ鵜呑みにするのではなく、自分で情報の裏づけを取りながら概念をつかむことが重要だ。

「筋肉が基礎代謝の30%を担う」と書かれているが、Wikipediaでは「大人の場合肝臓が27%、脳が19%、筋肉(骨格筋)が18%」と解説されている(基礎代謝)。

「総エネルギー消費量(24時間相当)は、大きく基礎代謝量(約60%)・食事誘発性熱産生(約10%)・身体活動量(約30%)の3つで構成」(身体活動とエネルギー代謝 | e-ヘルスネット)されているので、筋トレは身体活動量と基礎代謝量をアップさせることは確かだろう。

 また、35歳から「筋肉量は年に1%ずつ減っていきます」と書かれているが、減少するのは速筋(白筋)であって遅筋(赤筋)ではない(筋肉の種類とその特徴 | 健康長寿ネット)。つまり中高年になればなるほど筋トレが有効なのだ。

 実は、【筋肉をつくるうえでは、週2回が最も効果的なのです】。それ以上の頻度で行っても――もちろん害にはなりませんが――メリットはありません。はっきり言えば、ムダになるだけです。
 これは、あるアメリカの研究チームの実験効果によって明らかになった事実です。

 出典として示されているのは改変された図だけで、これまた大雑把と言わざるを得ない。たぶん超回復理論に基づいているのだろう(超回復って何?)。休息時にはウォーキングやジョギングをするのが望ましいようだ(超回復が嘘なのは前提が間違っているから)。以下のページも大変勉強になった。

超回復と休息:CramerJapan
超回復嘘・本当?部位別の回復時間|腹筋・大胸筋・広背筋

 で、私が出した結論はこうだ。「人体は週に2回程度の力仕事をすることで最も発達するように進化したのだろう」。毎日力仕事をさせられるのは奴隷に等しい。またメンタルも沈んでゆくことだろう。苦役(くえき)が長寿に結びつくとは考えにくい。

 女性が高齢になると尻餅をついて背骨が損傷することがままある(脊椎圧迫骨折)。また寝たきり老人になる最大の原因は転倒による骨折である。やはり人類は長生きし過ぎているのだろう。下半身に重点を置いた筋トレをおすすめしたい。更に骨粗鬆症を防ぐために乳製品の摂取をやめることが望ましい(カルシウム・パラドックス)。

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