2013-11-07

アラファト前議長、毒殺された可能性 遺骨からポロニウム検出


 中東の衛星テレビ局アルジャジーラ(Al-Jazeera)は6日、2004年に死去したパレスチナ解放機構(PLO)のヤセル・アラファト(Yasser Arafat)前議長の死因を調べていたスイスの科学者らが、放射性物質のポロニウムによる毒殺だった可能性が高いとの結論に至ったと報じた。

 カタールを拠点とする同テレビ局のウェブサイトに掲載された108ページに上る分析結果をまとめた報告書によると、前議長の遺骨を調べた結果「死因がポロニウム210による毒殺であるとの見方を、ある程度支持するものだった」という。

 アラファト前議長は2004年11月11日、フランスの病院で75歳で死去した。医師らは死因を特定できなかったが、夫人の希望により司法解剖は行われていなかった。

AFP 2013-11-07

Life of Lt. Gen. Yitzhak Rabin, 7th IDF Chief of Staff in photos

 なんということか。1994年にノーベル平和賞を受賞したこの二人は結局殺されてしまったのだ。

 1995年11月4日、ラビン首相はテルアビブの平和集会に出席した。
 彼は「私は闘ってきた。しかし平和は実現できなかった。だが今、私たちには平和のチャンスがある」と語り、そのあと10万人の群衆とともに「平和の歌」をうたった。この歌はかつてラビン自らが軍隊内で歌うことを禁じた反戦歌だった。
 しかし壇上から下りたラビンを、ユダヤ教過激派の青年イーガル・アミールの放った3発の銃弾が貫いた。彼は73歳の生涯を閉じたのである。イスラエル国民は激しい驚きと悲しみに包まれた。

【『パレスチナ 新版』広河隆一〈ひろかわ・りゅういち〉(岩波新書、2002年)】

 イスラエルはパレスチナとの和平を望んでいないのだろう。彼らの宗教的独善性は一切の邪悪を可能にする。

パレスチナ新版 (岩波新書)

9.11テロは物質文明の幻想を破壊した/『パレスチナ 新版』広河隆一
ロスチャイルド家がユダヤ人をパレスチナへ送り込んだ/『パレスチナ 新版』広河隆一
ユダヤ人少年「みなが、その共犯者さ」

2013-11-05

小室直樹の読書法

2013-11-04

その心地よい音と出会った時、彼はもう亡かった/Nujabes - Love Sick









マネーサプライ(マネーストック)とは/『洗脳支配 日本人に富を貢がせるマインドコントロールのすべて』苫米地英人


米軍による原爆投下は人体実験だった
明治維新は外資によって成し遂げられた
・マネーサプライ(マネーストック)とは

 預貯金のカラクリは、マネーサプライという経済用語を吟味すると、わかってきます。
 マネーサプライは、市中に供給されたお金のことをさす言葉だと一般に理解されていますが、これだけではそれが私たちにどう関係することなのか、本当の姿を把握することはできないでしょう。
 経済の虚飾をそぎ落としていえば、マネーサプライとは借金の総額である、ということができます。お金の供給が増える、つまりマネーサプライが増えるとうのは、いわば見せかけのお金、それも借金が増えるということなのです。

【『洗脳支配 日本人に富を貢がせるマインドコントロールのすべて』苫米地英人〈とまべち・ひでと〉(ビジネス社、2008年)以下同】

マネーサプライの定義について
マネーサプライの減少-借金の返済/マネーサプライの増加-国民にお金を配る

 これぞ複式簿記原理。誰かの資産は必ず誰かの負債なのだ。資本主義の原動力は借金である。否、資本主義は借金から誕生したのだ。

資本主義経済の最初の担い手は投機家だった/『投機学入門 市場経済の「偶然」と「必然」を計算する』山崎和邦

 マネーサプライは通貨基準でマネーストックは銀行基準と考えてよいと思う。が、いずれも借金である事実に変わりはない。

 では銀行の機能を見てみよう。

◆信用創造のカラクリ

 さて、信用創造を行うために必要な銀行が保有する預金額のパーセンテージを預金準備率(支払準備率)といいます。銀行はこの準備率に見合うお金を、日銀の当座預金に預けるよう義務づけられています。要するに、銀行が貸し出しを行うための証拠金ということです。(中略)
 いまの日本の準備率はといえば、定期性預金ならば、0.05~1.2パーセント、その他の預金なら0.1~1.3パーセントにすぎません。驚くほどわずかな証拠金といえます。
 話を簡略化するために、日本のすべての預金の準備率が1パーセントだったと仮定しましょう。とすると、銀行は100万円を預かると、全額を日銀に預け、9900万円を借り手の口座に創設することができます。つまり合計の預金残高は1億円になります。1パーセントの準備率でマネーサプライは100倍に増えるのです。日本の現在の準備率は0.1パーセント程度ですから、100万円の預金があれば10億円が創造されるということです。
 これが、マネーサプライが増えるカラクリです。

 おわかりだろうか? 銀行が行う信用創造とは、レバレッジが100~1000倍の安全なギャンブルといってよい。わかりやすく単純にいえば、1万円の預金があれば100~1000万円貸し出していいよ、というお墨付きが準備率だ。一般市民の感覚からすれば「不信用創造」そのものだ。

信用創造のカラクリ/『ギャンブルトレーダー ポーカーで分かる相場と金融の心理学』アーロン・ブラウン

 1971年8月15日、アメリカのニクソン大統領はドル紙幣と金(ゴールド)の兌換(だかん)を停止した。これがニクソン・ショックである。


 その後、1985年9月22日、G5(先進5か国蔵相・中央銀行総裁会議)によりプラザ合意が発表される。ま、世界規模で行われたドル安談合だ。なかんずく貿易赤字が顕著であった日本が狙い撃ちされた。これがバブル景気をもたらす。

 ニクソン・ショックを経て1973年から為替の変動相場制が始まった。金本位制度は死んだ。そして何の裏づけもない紙切れが「マネー」という怪物に変貌した。資本主義は信用創造に支えられる新時代の宗教に格上げされた。つまり紙は神となったわけだ。



官僚機構による社会資本の寡占/『独りファシズム つまり生命は資本に翻弄され続けるのか?』響堂雪乃
信用創造の正体は借金/『ほんとうは恐ろしいお金(マネー)のしくみ 日本人はなぜお金持ちになれないのか』大村大次郎

2013-11-03

ヘルマン・ヘッセ、福江純、マーティン・リンストローム、今野晴貴、オットー


 4冊挫折、1冊読了。

アインシュタインの宿題』福江純〈ふくえ・じゅん〉(大和書房、2000年/知恵の森文庫、2003年)/砕けた調子が裏目に出ている。

なぜ、それを買わずにはいられないのか ブランド仕掛け人の告白』マーティン・リンストローム:木村博江訳(文藝春秋、2012年)/やや冗長。本書でも紹介されているヴァンス・パッカード著『かくれた説得者』を読めば十分だ。

ブラック企業 日本を食いつぶす妖怪』今野晴貴〈こんの・はるき〉(文春新書、2012年)/良書。ただ私の興味が続かなかった。

聖なるもの』オットー:久松英二訳(岩波文庫、2010年)/原著は1917年の刊行。10年前に出会っていたら読了したことだろう。ルードルフ・オットーはドイツのプロテスタント神学者・宗教哲学者。この分野はR・ブルトマン著『イエス』を凌駕するものでなければ食指が動かない。※参照記事

 55冊目『シッダルタ』ヘルマン・ヘッセ:手塚富雄訳(岩波文庫、2011年)/読んでいる途中で「必読書」に入れた。メタフィクションである。ブッダはゴータマとして登場するが主人公のシッダルタは別人だ。「それにしても……」という思いを禁じ得ない。西洋の知性がここまで仏教を理解するとは。日本人が鎌倉仏教の上にあぐらをかいて仏教を名乗っている事実に嫌悪感すら抱かされた。悟りと迷いの往還に六道輪廻の真実を見た。文学者は偉大なる翻訳者でもある。やがてクリシュナムルティを描く文豪も出てくることだろう。