2018-01-10

読み始める

陽明丸と800人の子供たち
北室 南苑
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長谷川三千子の思想相談室
長谷川 三千子
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白川静博士の漢字の世界へ
福井県教育委員会[編・発行]
平凡社
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中国「反日」の源流 (講談社選書メチエ)
岡本 隆司
講談社
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日本人に生まれて、まあよかった (新潮新書)
平川 祐弘
新潮社
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ぜんそく力 ぜんそくに勝つ100の新常識
清水 宏保
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小関式 心とカラダのバランス・メソッド (GAKKEN SPORTS BOOKS)
小関 勲
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地形で解ける!  東京の街の秘密50 (じっぴコンパクト)
内田 宗治
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過去からの弔鐘 (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)
ローレンス・ブロック
二見書房
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2018-01-05

ジャック・ヒギンズ、他


 さて今年は真面目に書こうか。やはり記録を付けておかないと後々困る羽目になる。同じ本を取り寄せてしまうことが少なからずあるのだ。

 2冊挫折、1冊読了。

聖(さとし)の青春』大崎善生〈おおさき・よしお〉(講談社、2000年講談社文庫、2002年/角川文庫、2015年)/文章が飾りすぎていて読みにくい。

ねじとねじ回し この千年で最高の発明をめぐる物語』ヴィトルト・リプチンスキ:春日井晶子〈かすがい・あきこ〉訳(早川書房、2003年/ハヤカワ文庫、2010年)/ニューヨーク・タイムズ紙日曜版の記事を長くしたもの。無理に長くしているため文章に締まりがなくダラダラ感が否めない。

 1冊目『鷲は舞い降りた〔完全版〕』ジャック・ヒギンズ:菊池光〈きくち・みつ〉訳(早川書房、1976年ハヤカワ文庫、1981年完全版、1992年/完全版文庫、1997年)/4度目の読了。意外と読みにくかった。主旋律はリーアム・デヴリンとモリイ・プライアの恋の物語である。菊池光の訳は例の如く「てにをは」の乱れがあるがさほど気にならない。この年になって読んでみると昔は気づかなかった様々なことが見えてくる。ヒギンズはドイツ落下傘部隊を好意的に描いた。それでもヒトラーやヒムラーを否定的に扱っている。ひょっとするとクルト・シュタイナ中佐と部下たちの崇高な姿を通して「悪の凡庸さ」(ハンナ・アーレント)を浮かび上がらせようとしたのかもしれない。男の背に厳しく鞭を加える一冊だ。

2018-01-04

隠れた傑作/『完全なる報復』F・ゲイリー・グレイ監督(2011年)


 隠れた傑作である。ただし前半だけ。ジェラルド・バトラーの超然とした演技が『ショーシャンクの空に』のティム・ロビンスを思わせる。司法制度が人間社会にとって妥協の産物であることがよく理解できる。時に理不尽な判決が下ることは決して珍しくはない。一方に冤罪(えんざい)という落とし穴があり、他方に免罪という罠がある。特にアメリカの場合司法取引が可能なため科罰が軽減される場合がある。

 司法制度に穴はつきものであり、裁判は違法性を争うもので正義を明らかにするのが目的ではない。主人公は不毛な司法制度に鉄槌を下す。

 担当事件の有罪率96%を誇る検事(ジェイミー・フォックス)を見下ろす絶対的な正義の視点はもちろん神を示唆している。主人公は正しい。正しいからこそ厳罰を下すのだ。保釈申請が下りた際に主人公は豹変し、自らが殺人者であると言明し判事をこき下ろす。司法の過ちをこれほど見事に示した例は他にない。

 後半は突然B級作品となる。論理性と整合性を欠き説得力を失ったまま呆気ないラストを迎える。それでも前半の余韻が消え失せることはない。

 かつての西部劇は無法者(アウトロー)を退治する正義の味方という筋書きだった。現代のドラマは法の番人をも裁く。いずれにしてもアメリカ人が法律よりも自分の力を頼みとしていることがよくわかる。その正義を実現するために彼らは銃を所持しているのだ。

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2018-01-03

映画『誘拐の掟』スコット・フランク監督(2015年)


 リーアム・ニーソンつながりで見てしまったがとんでもない駄作で正月早々失望感に襲われた。主人公のマット・スカダーという名前に聞き覚えがあると思ったら、原作はローレンス・ブロックらしい。ホームレスの少年TJを演じるのは『Xファクター』で勝ち上がった(当時14歳)ラッパーのアストロ。不貞腐れた演技が実によい。


 アメリカ麻薬取締局(DEA)と犯人に関連性があることを示しながら実態が明らかにされていないのが致命的だ。またラストシーンではAA(アルコホーリクス・アノニマス)の教えが金言の如く登場するが、その命令と抑制ぶりが聖書の域に達している。つまり「罪と罰」こそがモチーフなのだ。

 正義は必ず勝つ。それが神と共にある限りは。おお、何という陳腐さか。

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2018-01-01

帰省とは親を省みること/『親を切ると書いてなぜ「親切」 二字漢字の謎を解く』北嶋廣敏


「帰省」には「省(かえり)みる」という行為が含まれている。故郷に帰って、父母を省みる。親の安否をうかがう。それが「帰省」の本来の意味である。単に故郷に帰るだけでは「帰省」とはいえないのである。

【『親を切ると書いてなぜ「親切」 二字漢字の謎を解く』北嶋廣敏〈きたじま・ひろとし〉(リイド文庫、2011年)】

 帰省中の諸君、今からでも遅くはないから親を省みるよーに(笑)。一方、「帰郷」には定住する意味合いが感じられる。

「帰省」と「帰郷」「里帰り」の違い

 昔は「故郷に錦を飾る」という言葉があった。経済が上向きの時代は功成り名を遂げることが人生の目的と化すのだろうか。男児が産まれると「末は博士か大臣か」とも囁いた。

 中には帰りたくても帰れない人もいるだろう。男であれば中々電話もしにくい。私からは「いつまでもあると思うな親と金」との言葉を贈ろう(笑)。

親を切ると書いてなぜ「親切」―二字漢字の謎を解く (リイド文庫)
北嶋 廣敏
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