2016-07-09

エキスパート・エラー/『新・人は皆「自分だけは死なない」と思っている 自分と家族を守るための心の防災袋』山村武彦


『人はなぜ逃げおくれるのか 災害の心理学』広瀬弘忠

 ・集団同調性バイアスと正常性バイアス
 ・エキスパート・エラー

 9.11同時多発テロ事件発生時、世界貿易センタービルで勤務していたジョンソンさんのケースを見てみよう。55階のオフィスにはジョンソンさんを含め約10名のスタッフがいた。テロ発生後、彼らは、ビルの防災センターに電話をかけた。マニュアルでは災害や火災が発生したときは防災センターの指示に従うことになっていた。「我々はどうしたらいいのか」と尋ねると、警備員が出て「救助に行くから、待機していてください」と答えた。ジョンソンさんたちは待った。しかし煙がオフィスにまで迫ってきたので再度電話をすると「もう少し待ってください」。さらに煙は立ち込めて「これ以上ここにいるのは危険です」と言うと警備員は「それじゃ、すぐ非常階段で脱出してください」と言ったのだ。ジョンソンさんたちは愕然とした。直ちに脱出したがスタッフのうち4人は、命を落とした。自分たちで判断していれば、もう少し早く逃げていれば助かったと、ジョンソンさんは専門家の意見を信頼しすぎた自分を責めていた。
 一般の人は、専門家が指示するとそれを疑わず信じてしまう。【専門家の言うことだからと依存しすぎることを「エキスパート・エラー」という】。
 たとえ専門家といえども事故現場にいない以上、完全に正しい指示をくれるとは限らない。現場の情報は現場にいる人が一番把握しているはずである。だから、【生死に関わることは、自分の五感で確認した情報に基き、自分で意思決定をすることが重要】なのである。

【『新・人は皆「自分だけは死なない」と思っている 自分と家族を守るための心の防災袋』山村武彦(宝島社、2015年/宝島社、2005年『人は皆「自分だけは死なない」と思っている 防災オンチの日本人』改訂・改題)】

 ここでいうところのエキスパート(専門家)とは安全管理責任者・消防・警察などと考えてよい。彼らは「動くな」と指示する傾向が強い。ところが大規模災害の場合、災害の全容と動向を把握することは極めて困難である。9.11テロの場合、世界貿易センタービル・ツインタワーが崩落することは誰も予測し得なかった。根強い陰謀説があるのもこれが原因となっている。

 要は生きるか死ぬかという危機に際しては、専門家の権威を当て込むのではなく自らの責任で判断し、行動する他ないということだ。もちろんエキスパートですらエラーするわけだから、各人の判断も誤る可能性は高い。だが人生最後となるかもしれない選択を他人に委ねるか、自分が決めるかの差は大きい。

 韓国旅客船セウォル号沈没事故(2014年)でも「動かないで下さい。動くと危険です。動かないで!」(CNN 2014-04-17)との指示が再三に渡ってアナウンスされた。助かったのは直ぐ動いた人々だった。乗員・乗客 476人のうち295人が死亡する大惨事となった。そのうち250人が修学旅行中の高校生であった(海外「韓国・セウォル号から生還した高校生のクラス写真が切なすぎる…」)。

 災害に限らず専門家の言葉が当てになるのは平時のみである。経済学者やアナリストが経済危機を言い当てたことはない。専門家は事が起こった後で理屈をこねくり回すのが常だ。「わかったつもり」の専門家が一番怖い。

 タイトルにある通り、人は皆「自分だけは死なない」と思っている。我々は「自分が死ぬ」という前提で物事を発想することができない。文明は死から目を背け、死を忌避することで発展してきた。現代社会においては死を目撃することすら稀(まれ)である。死は病院に封印され、社会から隔離している。

 災害から学ぶといっても特別なことではない。日常生活の中から不注意を一掃することに尽きる。外へ出歩けば、いつ交通事故に遭ってもおかしくない。注意を払えば危険は至るところに見出すことができる。その意味で大東亜戦争を生き抜いた小野田寛郎〈おのだ・ひろお〉(『たった一人の30年戦争』)や坂井三郎(『父、坂井三郎 「大空のサムライ」が娘に遺した生き方』坂井スマート道子)から学ぶことは多い。

新・人は皆「自分だけは死なない」と思っている

2016-07-08

集団同調性バイアスと正常性バイアス/『新・人は皆「自分だけは死なない」と思っている 自分と家族を守るための心の防災袋』山村武彦


『人はなぜ逃げおくれるのか 災害の心理学』広瀬弘忠

 ・集団同調性バイアスと正常性バイアス
 ・エキスパート・エラー

『人が死なない防災』片田敏孝

 実験を集計すると以下のとおりだった。(中略)
 つまり、【部屋に1人でいた場合は、全員が火災報知機が鳴ってからすぐドアを開けて何か起きていないか確認行動を起こしている。しかし、部屋に2人でいた学生は、1組だけが行動を起こし、ほかの部屋に2人でいた計6人は、火災報知機が鳴っても何の行動も起さ(ママ)ず煙に気づいていから行動を起こしている】のである。食堂にいた学生に至っては3分の間、何の行動も起さなかった。
 避難が遅れた部屋に2人でいた学生に聞くと「多分誤報か点検だと思っていた。【まさか火災とは思わなかった】」がほとんどだった。これは食堂にいた学生たちも同じような答えだったが【「皆いるから大丈夫だと思った」】という言葉が付け加えられていた。

 緊急時、人間は1人でいるときは「何が起きたのか」とすぐ自分の判断で行動を起こす。しかし、複数の人間がいると「皆でいるから」という安心感で、緊急行動が遅れる傾向にある。これを【「集団同調性バイアス」】と呼ぶ。先の実験の食堂のように人間の数が多いと、さらにその傾向が強くなる。【集団でいると、自分だけがほかの人と違う行動を取りにくくなる】。お互いが無意識にけん制し合い、他者の動きに左右される。【自分より集団に過大評価を加えている】ことが読み取れる。結果として逃げるタイミングを失うことにもなりかねない。

【『新・人は皆「自分だけは死なない」と思っている 自分と家族を守るための心の防災袋』山村武彦(宝島社、2015年/宝島社、2005年『人は皆「自分だけは死なない」と思っている 防災オンチの日本人』改訂・改題)】

 山村は「防災心理を知っているか知らないか、その違いが生死を分ける」と訴える。本書を読んでいれば東日本大震災を生き延びることができた人々もたくさんいたに違いない。読みながら痛恨の思いに駆られた。災害心理学は新しい学問だが、認知科学に基づいており信頼性は高い。生存者の手記やインタビューの多くは愚行と偶然性に支配されていて読めたものではない。単なる僥倖(ぎょうこう)から他人が学べることは耳かきほどもあるまい。

 人は関係性の中で生きる動物であるため必ず他人からの影響を受ける。集団で生きることが進化的に有利であったとすれば集団に同調することは人間らしさといってよい。行列に連なり、流行のファッションを取り入れ、観光地を旅するのが大衆の姿である。納豆が健康によいとテレビ番組が告げれば、我々は慌ててスーパーに向かう。で、各店舗で納豆が品切れになった頃、番組の捏造(ねつぞう)が発覚するという寸法だ。

 日常会話においても同調は明らかで、話が合う人同士は微細な体の揺れ(ダンス)が一致している。特に若い女性に顕著で双方が頷き合いながら「そうそう」と語る場面を時折目にする。

 そして集団が大きくなればなるほど烏合の衆と化す。一人ひとりの役割が小さくなり無責任になるためだ。

「逃げる」という行為は非日常的である。そこに躊躇(ためら)いが生じる。日本人の場合、みっともないという価値観も混入する。一瞬の遅れが取り返しのつかない過ちとなる。

 加えて、非常時には「こんなことは起こるはずがない」と捉え、現実ではなくヴァーチャルではないかと考える【「正常性バイアス」】が働くことがある。韓国の地下鉄火災に巻き込まれた人々は口々に「まさか火災だとは思わなかった」「みんながじっとしているので自分もじっとしていた」と話していた。まさに、正常性バイアス、多数派同調バイアスに捉われていたものと思われる。

 韓国で起こった大邱(テグ)地下鉄放火事件(2003年2月18日)では立ち込める煙の中でじっと座り続けている乗客の姿が撮影されている。


 思考が日常の延長線上から抜け出ることは難しい。しかも五官が捉えるのは部分情報である。全体情報は神の視点に立たなければ見えない。スポイルされた空間は安心感を生む。東日本大震災ではクルマで逃げてそのまま流された人々が多かった。建物や乗り物が認知を歪める。大邱地下鉄放火事件では192人が死亡した(再現動画)。

 人間の知覚には歪み(バイアス)がある。集団同調性バイアスと正常性バイアスは何も災害に限ったことではない。人間関係が濃いコミュニティほどバイアスは強くなることだろう。例えば運動部のしごきや集団暴行、マルチ商法グループの暴走、宗教組織の反社会性など。またあらゆるハラスメントは距離の近い人間に対して行われる。

 異常な集団に身を置けば異常であることが正常となる。そして異常なコミュニティには必ず強い同調圧力がある。出来るだけ多くのコミュニティに所属することが望ましいが、もっと手っ取り早いのは異なる価値観を知ることである。その意味で人と会うことと読書は最大の武器となる。

春秋左氏伝』に「安(やす)きに居(お)りて危(あやう)きを思う。思えば則ち備え有り、備え有れば患(うれ)い無し」とある。備えるとは注意を払うことだ。災害心理学を学ぶことは、安きにいて危機を思うことに通じる。

新・人は皆「自分だけは死なない」と思っている

2016-07-05

1億円を超えると所得税は下がる/『タックス・ヘイブン 逃げていく税金』志賀櫻


『マネーロンダリング入門 国際金融詐欺からテロ資金まで』橘玲
『タックスヘイブンの闇 世界の富は盗まれている!』ニコラス・シャクソン

 ・1億円を超えると所得税は下がる

『資本主義の終焉と歴史の危機』水野和夫

 最初に、この図序-1を見てほしい。これは日本の納税者の税負担率を所得金額別に表したグラフである。このグラフは、日本の所得税制度には見過ごすことのできない不公平があることを示している。見るとわかるように、日本の所得税負担率は、所得総額が1億円を超えると低下していくのである。
 これはどういうことであろうか。日本の所得税制は累進課税を採用している。ならば、このグラフは、所得額の増加にともない右肩上がりになるはずである。ところが、実際はそうではない。1億円の28.3%をピークにした山型のグラフになっているのである。これは、所得金額が1億円を超えると、日本の所得税は「逆進的」なものに変わることを示している。100億円にいたっては13.5%にまで下がる。
 年間の所得金額が100億円とは、普通の市民の感覚からすれば、およそ想像を絶する額である。しかし、現実にそういう高額所得者が日本にも存在する。多くは株式の売却による所得だが、現在の日本の税制によれば、そうした所得に対しては特別措置が適用される。グラフの低下は、その効果によるものである。

【『タックス・ヘイブン 逃げていく税金』志賀櫻〈しが・さくら〉(岩波新書、2013年)】

 以下の所得税負担率がほぼ同じグラフである。1億円を境に下がり始め、100億円超で17%の負担率となっている。


 もう一つ興味深いグラフを紹介しよう。


 株式譲渡所得とは売却益(キャピタルゲイン)のことである。このグラフは縦長に作ることで意図的に衝撃を煽っている。2003年から時限措置として証券優遇税制(株式譲渡益・配当金・投資信託売却益・投資信託分配金に対する税率が一律10%)が導入された。二つのグラフはこれに基づく。同税制は民主党政権時にも引き継がれ、2013年に廃止された。投資で得た利益には20%の課税となっているが、株式譲渡所得と先物取引に係る雑所得等に分かれていてややこしい。外為(FX)は後者となるが、2012年の法改正までは、くりっく365=申告分離課税20%、店頭=総合課税(累進課税)という不平等があった。くりっく365業者は官僚の天下りを受け入れていたので優遇されていた。

 つまり2013年までは高額所得者に有利な税制が布(し)かれていたと覚えておけばよい。また2015年からは課税所得金額4000万円超という最高区分が設けられ税率は45%となった。ざまあみろと言ってるわけにもゆかない。「年収1000万円超の給与所得者の数は全体の4%しかいないが、所得税の税収に占める割合は46%に達する。全体の4%に過ぎない高額所得者が、所得税の約半分を支払っている」(高額所得者の税負担が増加。今後もこの傾向が続くのか?)のだから。

 一つ思考実験をしてみよう。ある日突然100億円の遺産を相続することとなった。6億円超の税率は55%で控除額を差し引いても50%前後は失ってしまう。さて、あなたはどうするか? 当然、弁護士・税理士に相談することだろう。で、財団法人の設立となる。資産家が経営者や政治家であるのには理由がある。相続税の回避だ。株式会社や政治資金団体というトンネルを通して彼らは甘い汁を吸い続ける。

 ただし、相続税廃止論にも相続税100%論にも一定の根拠があって一筋縄ではゆかない。


 行き過ぎた不平等が社会に混乱を生む。国家が末永く繁栄するためには国民を幸福にする必要がある。政治家諸兄は貧困が国家を破壊すると心得るべきだ。

タックス・ヘイブン――逃げていく税金 (岩波新書)

2016-07-04

セイコークロック - 目覚まし時計 PYXIS RAIDEN の修理依頼

PYXIS (ピクシス) 目ざまし時計 RAIDEN ライデン クオーツ 大音量 ベル音 NQ706KPYXIS (ピクシス) 目覚まし時計 ライデン デジタル 電波時計 大音量 NR522W

 セイコークロックの目覚まし時計が直ぐ壊れる。当たり前だが保証書をしっかり保存しておくこと。アナログの方は1年経たない内にベルが鳴らなくなった。当時、デジタルからアナログへ換えたため、枕元に置くと針の音が気になって仕方がなかった。続いてデジタルを購入したのだが、8ヶ月目で液晶表示が消えた。電池交換をして電波受信のスイッチを押したところ再び液晶が消えた。何度も電池を入れ替えてみたがご臨終のようにしか見えなかった。

 保証期間内の修理依頼についてメモしておく。

 amazonの返品受け付け期間は保証期間よりも短い。まず以下に電話をする。

 セイコークロックお客様相談室 0120-315-474 受付時間:9時30分~17時30分(土日祝祭日は休業)

「一旦、電池を外して乾いた布で拭いて下さい。次に電池を入れてクルクル回して下さい」と告げられる。故障が明らかな場合、【番号】を伝えられるので、送り状の備考欄に書き込む。

 送り先:491-0364 愛知県一宮市萩原町中島字流3-1 佐川急便内セイコークロック・サービスステーション

 保証書と納品書(ない場合はamazonサイトからダウンロード印刷)を同封し、「時計、ワレモノ注意」と書く。宅配業者はどこでも構わない。ゆうパックでも可。【送料着払い】で送る。緩衝材がなかったので私は古いタオルでグルグル巻きにして送った。尚、「修理には2~3週間ほど要する」とのことだったが1週間ほどで戻ってきた。結局、製品交換となった。

 目覚まし時計が一つしかなかったので止むを得ず安物を購入した。ところが意外にもこれがスグレモノ。音量はライデンより小さいが、目覚ましとしては十分である。しかも電波時計で1000円は安すぎる。購入金額2000円以上でないと送料が無料とならないので靴下を一緒に注文した。

リズム時計 RHYTHM 電波目覚まし時計 フィットウェーブスマート ホワイト 8RZ166SR03

 セイコークロックの目覚まし時計はオススメできない。かつて家電製品は10年持つと言われたが、コスト削減が様々な陰を製品に落としているのだろう。

2016-07-03

デュポン一族の圧力に屈したデラウェア州/『タックスヘイブンの闇 世界の富は盗まれている!』ニコラス・シャクソン


『マネーロンダリング入門 国際金融詐欺からテロ資金まで』橘玲

 ・アンシャン・レジームの免税特権
 ・多国籍企業は国家を愚弄し、超国家的存在となりつつある
 ・デュポン一族の圧力に屈したデラウェア州

『タックス・ヘイブン 逃げていく税金』志賀櫻

 アメリカで2番目に小さい州、デラウェアは、世界最大手の企業の多くにとって生まれ故郷である。タックスヘイブンの通常の定義――税制を重視する定義――では、デラウェアはオフショア・システムには含まれないが、この地で重要なことが起きているのは明らかだ。アメリカの株式公開企業の半数以上、フォーチュン500社の3分の2近くが、この州の法人であり、2007年にアメリカで上場した企業の90パーセント以上がこの小さな州に登記している。これらの企業はデラウェアに本社を置いているわけではない。そこで法人化されただけであり、これはつまりはデラウェア州の法律に従って社会の仕組みが築かれているということだ。

【『タックスヘイブンの闇 世界の富は盗まれている!』ニコラス・シャクソン:藤井清美訳(朝日新聞出版、2012年)以下同】

世界最悪のタックスヘイブンはアメリカにある」との声もある。

 デラウェア州の会社法(州法)は極めて著名である。他州に比べ、会社の設立や解散が容易で、多くの判例があるため裁判が予測可能などといった特徴を持つ。
 そのため、州外で事業活動をする会社でも、同州に登記上の本社を置くことが多い(会社設立における法律回避を参照)。また、小さな州にも拘らず、ニューヨーク証券取引所で上場している会社の半数以上、フォーチュン500に載る会社の63%はデラウェア州の会社法に準拠して設立されていると言われる。法人税で州歳入の5分の1が挙げられている。
例えば、世界最大の化学会社であるデュポンの米国法人、日本アイ・ビー・エムの親会社であるIBMワールド・トレード・コーポレーション(米IBMではない)、生命保険会社のアメリカン ライフ インシュアランスカンパニー(アリコ)の本社など、多くの有名企業がデラウェア州法により設立されている。

Wikipedia > デラウェア > 法人の州

 租税よりも法律リスクの回避が重んじられていることがわかる。法律も所によってはルールが変わるという現実が恐ろしい。そして楽園のコストは最終的に国民に付け替えられる。一般人は租税を回避することができない。

 1899年、デラウェア州政府は、巨大な化学事業を法人化したいと考えていたデュポン一族の圧力を受けて、「一般会社法」と呼ばれる新しい寛容なビジネス規定を制定した。そこには、企業の力が大になりつつある時代の自由放任的な精神が反映されていた。この法規が意味するところは、デラウェアでは、企業経営者は他の利害関係者を犠牲にして自分のやりたいことをする大きな自由を持つことができる、ということだった。デラウェア州は、株主や他の利害関係者が救済措置を得るのをとくに難しくしている。(中略)
 企業は、かつては公共の利益に役立つための手段とはっきりみなされていた。だが、デラウェアはその考えを捨て去って、デラウェアのある公文書が「断然、自由のきく民間企業モード」と表現しているものを採用した。このモードでは、企業や個人がそれぞれ自分の目標を追求し、政府は、公共の利益は自動的に増大するという想定のもとで、脇に追いやられている。これは企業に対する姿勢の微妙ながら根本的な変化だった。

 デュポンはフランス系のアメリカ財閥だ。ま、ケミカル(化学)企業・石油産業・製薬会社は悪の巣窟と考えてよかろう。巨大資本が必要なため新規参入が難しい。軍需とも深く関わっている。日本人はアメリカを政治的に成熟した社会と思いがちだが実態は異なる。企業や業界、各種団体が力任せに利益を奪い合う世界だ。インディアンを虐殺して土地を奪い、黒人奴隷で利益を上げてきた伝統は脈々と受け継がれている。

 先日、イギリスがEUから離脱した。タックスヘイブンは一種の植民地主義でイギリス領に多い。シティが金融センターとしての機能を失うかどうかが注目される。


 やはり英仏独が歩調を揃えることは難しいのだろう。ヨーロッパの平和は絵に描いた餅だ。白人は常に争ってきた。自分たちが滅びるまで争い続けるに違いない。

タックスヘイブンの闇 世界の富は盗まれている!